『敦煌巻子』は全206の文献を書き写しています。東晋から北宋初期までを含む、各時代の用紙や装幀工芸から、題記、印章、雑記まで、さまざまな表現形式を具現しています。
『敦煌巻子』は3つの道教文献、三階教経巻残巻、部派仏教戒律、禅宗資料などを収録し、19の文献は伝世文本がなく、現在に至るまで録文と関連研究がありません。このため、研究者にとって一歩進んだ探究に値する隠された宝物といえます。
『敦煌巻子』は3つの道教文献、三階教経巻残巻、部派仏教戒律、禅宗資料などを収録し、19の文献は伝世文本がなく、現在に至るまで録文と関連研究がありません。このため、研究者にとって一歩進んだ探究に値する隠された宝物といえます。
墨跡から書法の風格の芸術性を研究できるだけでなく、当時の中国文字の変遷を明確に反映している貴重な直接資料です。
『敦煌巻子』は日本の写経7号8件も収録しています。文化伝達を示す珍しい史料であり、日本の書道発展の証人でもあります。
『敦煌巻子』は日本の写経7号8件も収録しています。文化伝達を示す珍しい史料であり、日本の書道発展の証人でもあります。
国家図書館は国家の文献所蔵をその務めとし、1933年から準備が開始され、中文古書の収集と収蔵を重要な使命としてきました。当館は草創期に戦火に見舞われ、西遷を命じられた際には数々の困難を克服しました。1940年から1941年には「文献保存同志会(以下、同志会)」を組織し、古書購入に奔走しました。そして復員期と台湾への移転後も収集を続け、現在1万2,922部(13万5,478冊)の豊かな蔵書を所有しています。このうち100巻余りある敦煌巻子は、多くが戦時中と復員期に購入したもので、当館は台湾において敦煌文献を最も豊富に所蔵する公的機関となっています。
同志会は文化学者と書誌学者によって構成されていました。彼らは戦火が最も熾烈であった時、書籍商に扮して敵軍の耳目を巧みに避け、江南の蔵書家が戦乱の中で投げ売った蔵書を、占領地で危険を冒して買い集めました。国家が存亡の危機に瀕していた時に、文化の命脈の存続に力を尽くしたのです。努力と奮闘の2年間で購入した古書4,864部、約4万8,000冊は、国家のために重要な文献として保存され、また当館の蔵書の基礎ともなったのでした。